誉の日記的物語

日記がてら書きたい事を好き勝手に書いています。 小説を書いており面白い小説がかけるようになりたいと、構成などはちゃめちゃですが書いてます。 読んで頂けると嬉しいです。どんな事でも意見貰えると助かります。

幸せの白い犬

幸せの白い犬 完

次の日、誉とキミとキミの嫁のまさよでハッピーのお線香を買いに出掛けた。 買い物を済まし家へ帰ると、おとんしか居ないはずなのにハッピーの側にお線香が焚かれていた。 自分でプレゼントしておいてなんだが、あれだけハッピーに嫉妬し毛嫌いしていたおと…

幸せの白い犬 ⑪

ハッピーの様子は一向に良くなる兆しがなかった。それどころか日に日に衰弱していき、とうとう歩けないほどになっていた。 もうおしっこどころか、うんちも出なくなりお腹はパンパンにはっている。とても苦しそうだ。 この頃キミはハッピーから片時も離れず…

幸せの白い犬 ⑩

おとんは順調に回復していく、だがハッピーは少しずつだが確実に様子がおかしくなっていた。 散歩の時に痛がる例のあれが家の中で走り回るだけで起こるようになったのだ。それだけではなく、何も無い所で突然転けるようにもなっていた。 フローリングなので…

幸せの白い犬 ⑨

ハッピーの異変が誰も気づかぬうちに進行していたのだが、それとは別の大事件が平戸家を襲う事になる。 うちのおとんは昔にIGA腎症という慢性型の腎臓病を患っていた。 当時は医者に「あんた恐らく30で死ぬよ」と宣告されていたのだ。だが今も60を過ぎ健在で…

幸せの白い犬 ⑧

いつまでも当たり前のようにハッピーとの幸せな日々が続いていた。 この日も誉はハッピーといつものように散歩へと出掛けた。 ハッピーは散歩が大好きだ。 いつものルートをいつも通りに散歩する。 合間にハッピーはなんの前触れもなくダッシュする事がある…

幸せの白い犬 ⑦

蝉の鳴き声が煩くその声で目が覚めた。 誉は休みの日は昼まで寝るのがお決まりだった。 寝るのが好きで休日のアラームの無い目覚めが休日の幸せなのだ。 だが、この日は蝉の目覚ましで目を覚ました。 リビングに出ると誰も居ない、ハッピーもいない「あれ?…

幸せの白い犬 ⑥

何日たっただろう…ハッピーの様子は代わらずご飯も食べれず水も飲まずどんどん衰弱していった。その様子を思い出すだけで誉は泣くのを我慢せずには居られなかった。 「ハッピーも頑張ってるやしこっちが諦めたらあかんな」と誉がおかんに言うと、おかんも「…

幸せの白い犬 ⑤

誉が高校生になった時その事件は起こった。その日家族でケンタッキーを食べた。 ハッピーは落ちた物を一瞬で飛びついて食べてしまうためみんな落とさないように注意して食べていた。 骨でも落とそうものならハッピーが食べてしまうからだ。 鳥の骨は人から見…

幸せの白い犬 ④

ハッピーが来てから平戸家は一段明るくなったようだった。 この時誉は中学生になっていた。中学生といってもまだまだ子供で親の事にはとても敏感に反応する子になっていた。 夫婦喧嘩は相変わらずだったが、誉はハッピーが居る事でハッピーに安らぎを求める…

幸せの白い犬 ③

大阪に戻ってから家族とハッピーは笑顔の溢れる日常を過ごしていた。文字通りハッピーが幸せの使者の役割を見事に果たしていたのである。 誉は毎日学校から帰るとハッピーの散歩に行く。ハッピーは散歩が大好きで、玄関にかけてあるリードを取る動作をするだ…

幸せの白い犬 ②

サッカーボール程も無い大きさのハッピーはダンボールのような入れ物で連れて帰ってきた。 今思うと箱で連れて帰らせるとはいかがな物かと思うがそこは置いておこう。 実はこのダンボールだか、ハッピーを家に連れて帰るには逆に都合が良かったのだ。 平戸家…

幸せの白い犬 ①

今日は家族でお盆のお参りに行く。 世間一般の習わしでお盆のお墓参りだが、うちでは大阪のミナミの御堂筋沿いにある北御堂というお寺の納骨堂にご先祖様を祀っている。 そこに家族で電車で向かっているのだ。ぼくは平戸誉小学4年生。サラサラヘアが特徴で周…