誉の日記的物語

日記がてら書きたい事を好き勝手に書いています。 小説を書いており面白い小説がかけるようになりたいと、構成などはちゃめちゃですが書いてます。 読んで頂けると嬉しいです。どんな事でも意見貰えると助かります。

幸せの白い犬 ⑥

何日たっただろう…ハッピーの様子は代わらずご飯も食べれず水も飲まずどんどん衰弱していった。
その様子を思い出すだけで誉は泣くのを我慢せずには居られなかった。


「ハッピーも頑張ってるやしこっちが諦めたらあかんな」
と誉がおかんに言うと、おかんも
「そやな、大丈夫きっと元気になるから」とは言ったものの暗い雰囲気は晴れる事は無かった。

前向きな言葉を口にはするもののおかんはどこかで何かをさとっているようだった。

 

休日の誉は少し遅く起きた。
今日もハッピーは…そんな事を考えながら部屋を出て、おかんに
「ハッピーどう?」と話かけると
「まだあかんわ…」と首を振った。

ふと、ハッピーがもどす声が聞こえる、たくよはいつも通り処理しゴミ箱へ捨てた。

すると突然リビングからおかんが
「誉!ハッピーが!」

驚いて走ってリビングへ行くとハッピーが水をがぶ飲みし、ご飯を一瞬で食べたのだ。

あれはダイソンと言ってもいいだろう。

 

誉はすぐさまキミへ電話する。
「キミ!ハッピーが元気になった!ご飯も水も!」
喜びと興奮でうまく状況が説明できない。

するとキミが
「ハッピーその前にもどした?それ調べてくれへん?骨出てきてんちゃう?」誉は興奮し過ぎてその事をすっかり忘れていた。

「ちょっと待って!見てくる!」
誉はすぐにさっき捨てたハッピーの物をゴミ箱から取り出し調べた。

「あっ!」誉は思わず声を出した。
その中には茶色の異様な物があった。ハッピーは見事に吐き出してみせたのだ。

「あった!骨あった!」キミに伝えるとキミは
「良かった~ひとまず安心やわ」と安堵しため息をつく
「ちょっと気をつけて様子は見といてな」と言い電話を切った。


誉はおかんと涙を流しながらハッピーの回復を喜んだ。

 

その晩キミがケータに、ハッピーが吐き出した骨を見せ
「これやで、こんなもんハッピーが食べてもうたんやで、ほんま頼むで」
この時は怒りに任せて喋るのではなく、泣きそうになりながらケータを諭すように語りかけていた。

ケータは
「良かった、ほんまにすまんかった」心底反省しているようだった。

その後ハッピーは順調に回復し、いつもの元気なハッピーに戻った。

 


それ以来ケータはゴミ箱を床へは置かなくなった。
家族もみな物を落とす事には神経質になり、家の床は以前よりも綺麗になったとおかんは喜んでいた。
とうのハッピーは何事も無かったかのように、また誰かが何かを落とすのを虎視眈々と狙っているのだった。