誉の日記的物語

日記がてら書きたい事を好き勝手に書いています。 小説を書いており面白い小説がかけるようになりたいと、構成などはちゃめちゃですが書いてます。 読んで頂けると嬉しいです。どんな事でも意見貰えると助かります。

幸せの白い犬 ⑤

誉が高校生になった時その事件は起こった。

その日家族でケンタッキーを食べた。
ハッピーは落ちた物を一瞬で飛びついて食べてしまうためみんな落とさないように注意して食べていた。
骨でも落とそうものならハッピーが食べてしまうからだ。
鳥の骨は人から見ても飲みこんでしまうと危険だとわかる程大きい。
その日は何事もなく皆美味しく頂いた。

異変は次の日の朝に起こった。
起きるとハッピーが何度も何度も戻している。
いつもは食べるご飯も食べず水すら飲まず戻すばかりだった。
家族はハッピーを心配そうに優しく撫でたり話かけたりしながら様子を見守る。
だがハッピーが戻すのは止まらず、終いにはぐったりと横になってしまった。

真ん中の兄のきみは昔から動物が大好きで、ハッピーが来たことをきっかけにトリマーの専門学校へ通っていた。
きみが
「何かがおかしい…あっ!待って…」咄嗟に兄のケータの部屋へ行きゴミ箱を漁った。
そこにはハッピーが漁った形跡が残っていた。
「やっぱりな…マジでありえへん!なに考えてんねん!考えたらわかるやろ!」考えてもわからないからやってしまったのだろう。
きみの怒りは収まらずその怒りの勢いのままに兄のケータへと電話をかけた。
「ケンタッキーの骨部屋のゴミ箱に捨てるとか何してるん!!ハッピー臭いでわかるねんから漁るに決まってるやろ!!」

普段ケータに向かってこんな話方は絶対にしないのだが、この時のキミは怒りに狂って我を忘れていたのだ。

ハッピーはケータの部屋のゴミ箱を漁りケンタッキーの骨を食べてしまい、喉に骨を詰まらせてしまっていたのだ。

キミはケータに
「ハッピーがこれで死んだらお前のせいやからな!!一生恨むで!」
この時ばかりはケータも生意気な口調のキミに一切反論せず
「ほんまに申し訳ない、今更やけどほんまに悪い事した」
素直に詫びを入れた。

起こってしまった事は仕方ない。

すぐに病院へ連れていったのだが、詰まった骨がもどす時に一緒に出てくるのを待つしかないと言われた。
誉は心配で心配でハッピーから片時も離れずにただただ見守る事しかできなかった。

何日たっただろう…ハッピーの様子は代わらずご飯も食べれず水も飲まずどんどん衰弱していった。
その様子を思い出すだけで誉は泣くのを我慢せずには居られなかった。
「ハッピーも頑張ってるやしこっちが諦めたらあかん」
と誉がおかんに言うと、おかんも
「そやな、大丈夫きっと元気になるから」とは言ったものの暗い雰囲気は晴れる事は無かった。
前向きな言葉を口にはするもののおかんはどこかで何かをさとっているようだった。