馴染みの場所を離れて
スノーボードを現役のライダーとして活動していた大阪の頃。
スノーボーダーにとってはホームがそれぞれあり、自分はどちらかというと1つに留まると飽きてしまうため、転々としていた。
滑る頻度の高いゲレンデでいわゆるゲレンデヒーローになる事などなんとも思わない。
小さなフィールドでちやほやされる事に意味など無いと思うからだ。
そんな事よりも、初めてのゲレンデでどれだけ輝き、爪痕を残せるかという事を常に意識している。
こんな話をしたい訳では無かった。
大阪時代の仲間から◯◯君とやっぱり滑りたい。
こんなに嬉しい事は無い。
中には◯◯おらんから滑るの上がらん。
北海道に移住しても尚、みんなの活力的な存在で居られる事にスノーボーダーとして誇りを感じる。
少し寂しい気もするが、こういった便りがあると純粋に嬉しい。
自分が13年間スノーボードだけをして生きて来た過程が決して無駄ではなかったのだと。
無駄などと思った事は無いのだけれど、それを感じる事ができる出来事だった。
文字の世界でも同様に、形式に囚われず自分がいかに輝き、小説という世界に爪痕を残せるかが新たな進む道なのだと。