誉の日記的物語

日記がてら書きたい事を好き勝手に書いています。 小説を書いており面白い小説がかけるようになりたいと、構成などはちゃめちゃですが書いてます。 読んで頂けると嬉しいです。どんな事でも意見貰えると助かります。

おかんへ書く手紙 七話

それからちょっと経った頃やったかな。
完全に俺の中で線が切れたのは。

 

俺はバイトから夜中3時頃に帰った時やったな。
開くはずのない玄関のドアが開いておかんが帰ってきた。
俺何が起こったんか最初わからんかったわ。
おかんもばれちゃったみたいな顔して笑ってたし。

 

永遠は部屋におかんを呼び込んで事情を聞いた。なんとなくだが察しはついていたのだが、確信を得るためだった。
「どこいってたん?ってかどういう事?」
永遠は怒りで声を震わせながらおかんに問う。この怒りの矛先はおとんに対する物であったが、夜中に女一人で出ていったおかんに対する物も無かったわけではない。
「カラオケで一人で時間潰してた…」
おかんは何故か笑っていた。
「お父さん止まらんくなってお母さんも腹立ったからマンダイ行ってくるわ!って出ていってん」
永遠は怒りに震えていたがその答えに思わず笑ってしまった。
「いやいや、何時や思てんねん、マンダイ開いてへんやろ」
と少し雰囲気が和らぎ永遠は落ち着きを取り戻した。
こんな時まで関西人出すなよと永遠は思った。

 

後日抑えきれなくなった永遠は家族で話をする場を儲ける事にした。

 

永遠は静かに話を切り出した。
「おとん、もう酒やめ。酒乱とか格好悪すぎるしおかんに何したかわかってる?」
おとんは静かに
「うん」とだけ頷く。
日頃から晩酌はするのだが。この所どうも飲み過ぎている。飲まなければやってられない。そういった所だろうか。
永遠は酒を飲み酔っぱらう事については特に悪いとも思っていないし、飲みたければ飲めばいい、酔いたければ酔えばいいと思っている。
しかし、その延長におかんが居る事に我慢ならないのだ。

「おかん何してたかしってる?一人で夜中にカラオケで時間潰してたんやで?女が一人で!」永遠の勢いは止まらない。
「あり得へんやろ!嫁がそんな事してる最中酔っぱらって平気で放置して!たった一人の愛した女やろが!!酔っぱらっておかんに滅茶苦茶言うて何がしたいねん!」この時永遠は涙が止まらなくなっていた。
自分の父親が一生愛すると決めた女に対する許しがたい仕打ち、自分の父親がこんな情けない姿を子供に晒している事実に。

「おかんが夜中に帰ってきたの見た時の俺の気持ちわかるか!?生まれて初めておとんを殺してやりたいって本気で思ったんやで!思ってもうたんやで!息子にこんな事思わしてどう思うねん!考えられへんわ!」
「おかんこんな思いせなあかん理由どこにあるん?本間に死んだらいいねん!」
永遠は勢いに任せて遂言ってはいけない言葉を口にしてしまった。
だがその時の永遠は心の底からそう思っていた。

 

永遠は冷静さを失っていたが、落ち着けるために
「ちょっと席はずすし二人ではっきりさせ…ちょっと出るわ」
永遠は家を出て外の風に辺りながらようやく後悔する。
「さすがに言いすぎたな…」
だが永遠は謝る事はしなかった、そしてこれからも…

 

一旦は二人は和解したようで気持ちを切り替えていくと誓った。
永遠はそれに対して釘を刺す。
「もう次はないで、次はおかん連れて出ていくからな」
そう言って部屋へ戻り、興奮し高まった気持ちを必死に抑え無理やりに目を閉じた。