誉の日記的物語

日記がてら書きたい事を好き勝手に書いています。 小説を書いており面白い小説がかけるようになりたいと、構成などはちゃめちゃですが書いてます。 読んで頂けると嬉しいです。どんな事でも意見貰えると助かります。

籠り物語

テスト最終日の夜行バスで再び白馬へと戻る予定なのだが、今回の大阪での最大のミッションが今日残されていた。

 

テストを終え家へと帰った卓はひとまずゆっくりする事にした。


夕方頃から彼女と逢う約束をしていた卓は、先に白馬へと戻る準備を終わらせてその時を待った。

 

彼女からメールが来た。
卓は原付で彼女の家へと向かう。
慣れた裏道を通れば信号に一つもかかる事なく10分程で辿り着いた。

 

家の下で彼女のミホは待っていた。
その雰囲気からどんな話になるのか既に悟っているようだった。

「おつかれさん、お待たせ」
「おつかれさま」
どことなくぎこちない雰囲気が漂う。

卓にとってもミホにとっても話す事は山程ネタとしてあるはずなのだが、久しぶりに逢ったカップルとは思えない。

 

卓は重苦しい空気に耐えかねて切り出した。
「話ずらい事話しに来たのはその感じやともうわかってるんやんな?」
「うん、なんとなくはね」
ミホは静かに頷きながら小さい声で答えた。
「話しせずに終われるならどれ程楽かって正直思ってしまってた。それはごめんな」


自分の思っているだけの事をわざわざ伝える必要など無いのだが、卓はミホに対して正直に居たい、そして、例え一瞬でもミホに対して失礼な事を考えてしまった自分への戒めでもあった。

 

「卓らしいな、そんな事言わんかったらわからんのに」
ミホは少し微笑しながら言った。