籠り物語
大阪での学校生活へと戻った卓は日々退屈な学生生活を送っていた。
卓は中学の頃から学校が好きでは無かった。
友達とも普通に遊ぶし部活もする、しかし、家で一人ゲームをしている時間が一番幸せな時間だった。
何の刺激もない学校生活を淡々とこなし、3年生最後の学年末テストが始まる。
日々の授業をこなすだけで卓にとってテスト勉強等は不要だった。
卓の成績は学年2位だが、クラスでは常にトップだった。
そんな卓はカンニングという行為など全く興味が無いものだったが、仲の良い隣の席の本田をいつも助けていた。
卓のカンニングの手助けはこの上なく大胆なやり方だった。
コソコソと答案を見せるやり方がただ面倒だったのだろう。
自分が問題を解き終わると、答案用紙ごと本田に渡すのだ。
そうして自分は問題用紙だけを机に起き、机に突っ伏して寝るのだった。
これ程までに豪快なカンニングの手助けは本田の補習を見事に助けた。
卓の面倒くさがりもここまで来れば天晴れである。
そうしてテストも最終日となり、卓と本田は難なくテストをクリアした。