籠り物語
帰り支度を済ませ荷物を持って下へと降りた。
自分のために夕食の準備をしてくれている厨房へと行き、いつも通り準備を手伝った。
「そういえばタカシも学校ちゃうの?」
「俺は明日帰るよ」
「そうか、また来るんやろ?」
「そのつもりやで」
タカシも同様に卒業の年のため一度名古屋へと帰るのだった。
そんな二人の会話を聞いて康之さんは
「しっかりテストクリアして来いよ、補習とかなったらめんどくさいからな」
しかし、卓はそんな事全く気にしていなかった。
「それは全然大丈夫です、こう見えて優秀なので」
卓は自信満々に答えた。
それを聞いたタカシは
「僕はなんとか頑張ってきます」
そう答えた。
「しっかり頼むで。卓えらい余裕やけどお前そない成績えぇんか?」
聞かれたら答えるしか無いと
「一応学年2位です、5段階評価で平均評定4.8です」
少し照れるように答えた。
すると、康之さんよりも先に
「うそやん!凄すぎ!」
タカシが大声で驚いた。
「人は見かけによらんでな、また2位な辺りがみそやな」
微笑みながら康之が言った。
「どうしても1位に勝てなくて」
そんな会話をしている内に夕食の準備がてきた。