誉の日記的物語

日記がてら書きたい事を好き勝手に書いています。 小説を書いており面白い小説がかけるようになりたいと、構成などはちゃめちゃですが書いてます。 読んで頂けると嬉しいです。どんな事でも意見貰えると助かります。

籠り物語

「雪村君の誕生日を祝って。乾杯」
「カンパーイ」
それから神戸屋での卓の誕生日兼年越しパーティは始まった。

 

物珍しいドンペリにワクワクしていた卓だったが、飲んで見ると美味しい物でも無かった。
自分の舌が子供なのだろうが、テレビで見るホストクラブの光景を思い出し、こんなものに大金を払う気がしれないと思った。

 

ドンペリを飲み干すと、すかさずオーナーからのビールのお酌が始まった。
「今日はきみは主役なんやからいっぱい飲みなさい」
「ありがとうございます」

卓は祝ってもらってる身分、頑張って飲まないと。
そう思い必死で飲んだ。


弱いわけでは無いようだが、決して強いわけでもなさそうだった。
だが、そんな事はお構い無しの雰囲気だ。

 

オーナーは神戸屋の誰もが認める酒豪なのだ。
夜も厨房にサワーを作りに降りてくるのだが、そこでも酒豪っぷりを見せていた。
厨房でサワーを作り部屋へ持って上がるのかと思いきや、作ったそばから一気に飲み干し、二杯目を作ってそこから部屋へと上がるのが毎日の日課だった。

 

酒の強さと酒好きは娘のチカさんにもしっかりと受け継がれていた。
しかし、お腹の大きなチカさんは禁酒中だった事が卓にとってはせめてもの救いだった。