誉の日記的物語

日記がてら書きたい事を好き勝手に書いています。 小説を書いており面白い小説がかけるようになりたいと、構成などはちゃめちゃですが書いてます。 読んで頂けると嬉しいです。どんな事でも意見貰えると助かります。

籠り物語

夕食の時間数分前になると宿泊客はぞろぞろと食堂へと集まりだす。


テーブル毎に揃った所から食事を順次提供していく。
神戸屋では一般の宿泊客はコース料理になっている。

 

ホールを担当しているお腹の大きいちかさんが小窓を開けて外から人数を告げる。


予め用意していた皿枠で重ねられたオードブルを人数分小窓から外へと出していく。


オードブルはすぐに食べ終わり続々と下げられてくる。
各テーブルで全て下げ終えると、そのタイミングでチカさんは人数をなかへ伝える。

 

卓はスープと人数分の食器を準備して、伝えられた数だけ皿を横に置いていく。何人入ったか忘れないようにするためだ。

スープを注ぐ卓を見て康之さんが
「スープ注ぐ時は一旦すくったらお玉の底をスープにつけんねん。ほんなら垂れへんから皿汚さんで注げるから」
卓は感動した。
「すごっ、こんな裏技あるんですね」
テンションの上がった卓が声を上げる。
「料理の世界では当たり前や、むしろ主婦でも知ってるわ」
そう笑いながら答える。

 

卓はすぐに実践し要領良くオーダーの入った数のスープを注いでいった。


用意した人数分いれ終えると、スープをコンロへ戻し魚料理の準備に取りかかった。

康之さんが調理した魚を取り出しフィッシュプレートへと盛り付け、卓がソースをかける。
タカシが皿の汚れを丁寧に拭き取り、外のチカさんへと出す。
役割分担しスムーズに魚料理も無事終えた。

 

後はメインの肉料理とデザートが残っているのだが、この頃になると宿泊客の腹はある程度満たされ始める。
メインの肉料理を提供する際はライスを一緒に提供するのだが、ほとんどの客がライスなし、もしくは少なめと注文する事がほとんどだった。

 

肉料理という事もありデザートを提供するまでしばし時間が空く。
厨房内での仕事は残りのデザートを提供するだけになるため、一人が引き続きデザートのため待機、もう一人は下がってきた食器を洗い始めることにした。
この頃康之さんはすでに調理器具の洗浄を始めていた。